歯周病治療

歯周病は、歯の周囲につく汚れ・細菌（バイオフィルム）がひきおこす歯ぐきの病気です。治療せず放置すると歯を失うことにもなる恐ろしい病気でもあります。
最近の研究では、歯周病菌が血行を介して心臓や腎臓の血管に悪さをしたり、糖尿病を悪化させたりすることがわかってきました。
　
患者さんの状態に合わせて、歯周基本治療から歯周外科治療まで、一人ひとりにあった歯周病治療をおこないます。
専門の治療と自宅でのケアを組み合わせて、いつまでも自分の歯で食事を楽しめる、健康な歯と身体をつくっていきましょう。

わずかな磨き残しも数カ月たつと歯石やバイオフィルム（細菌の集合体）を形成し、歯の表面に強固にこびりつきます。こうなると、抗菌剤、消毒薬、洗口剤も効果がありません。

歯周病は、このバイオフィルムの中の歯周病菌がひきおこす歯ぐきの炎症です。

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進行すると、腫れて痛んだり、膿をだして口臭の原因になったり、歯が動揺してきたりといった症状 が出てきますが、軽度の間はほとんど無症状で知らない間に悪化します。

私達は長いこと「年をとれば歯は抜けるもの」と考えて、あきらめてきましたが、そうではなく歯周 病という「病気」のために抜けるのです。　病気ですから、予防も治療も可能です。ただし放っておくと、中高年では9割という高率で歯周病にか かり、歯が抜けてしまいます。だからこそ「年を取れば・・・」という誤解になったのです。

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病変部の血行を介して歯周病菌は全身に運ばれ、さまざまな病気の原因となっていることが知られています。たかが歯ぐきの病気とあなどることはできません。
　

心臓病

歯周病菌による炎症が原因で動脈硬化が進行したり血栓ができやすくなるため、狭心症、心筋梗塞、細菌性心内膜炎などをひきおこすことがあります。

糖尿病

糖尿病の方が歯周病になると、炎症が原因で血糖のコントロールがむずかしくなることがあります。血糖コントロールと歯周病には因果関係があり、歯周病がよくなると血糖値が下がることもわかってきました。

肺炎（誤嚥性肺炎）

お口のなかの歯周病菌を誤ってのみこむ（誤嚥）ことで誤嚥性肺炎をひきおこします。日本の高齢者の死因の第4位は肺炎です。

早産・低体重児出産

歯周病による炎症が胎児の成長に影響し、早産や低体重児出産の原因となります。重度の歯周病の妊婦さんの場合、歯周病でない妊婦さんと比べてその確率は7倍になるという報告もあります。

歯周病の治療は、歯の周囲にこびりついたバイオフィルムや歯石を取り除き、きれいな状態を維持するために定期的にクリーニングを繰り返します。
ご自身によるセルフケアとクリニックでのプロフェッショナルケアの両輪で、いつまでも健康な歯と身体を守っていきましょう。

セルフケア（ブラッシング指導）

歯周病治療の基本はブラッシングです。きちんとした歯みがき方法を身につけていただきます。
成人は特に歯の間の清掃が大切です。歯間ブラシやデンタルフロスなども使いましょう。

歯石除去（スケーリング・ＳＲＰ）

ブラッシングにより、ある程度歯ぐきの炎症が治まったら、機械的にバイオフィルムや歯石を除去します。必要があれば麻酔をして歯肉の上の歯石はもちろん、歯肉の中に入り込んでしまっている歯石もきれいに取ります。数回かけて行います。

歯周外科

歯周炎が進んでしまった歯は、ブラッシングや歯石除去だけでは治らないため、歯肉を切開して外科的治療が必要になる場合もあります。

咬み合わせの調整

動揺のある歯の削合や、固定を行います。歯ぎしりがあればマウスピースを装着します。

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歯周治療が終了しても、治療後のプラークコントロールが悪ければ再発します。

歯周病のメインテナンス

定期的にお口のクリーニングを行い、お口の中の衛生状態が悪くなり歯周病の再発や悪化がおこる前にリスクをリセットし、健康な状態を保ちます。
メインテナンスの間隔は、患者さんによって異なります。セルフケアがよくできている方で６か月ぐらい。
セルフケアがよくない、歯並びがよくない、歯周病が中等度以上などの方は、間隔を３か月前後にします。あまり間隔をあけすぎないようにして、落ち着いた状態を保ちます。

ＰＭＴＣってなに？

ＰＭＴＣとはプロフェッショナル・メカニカル・ティース・クリーニングの略。歯科衛生士がシリコン製の軟らかいチップを使って、歯の表面の汚れをやさしく落とします。
歯周病のコントロールが良好な方のメインテナンスの際に行います。歯の表面が、「つるっつるっ」になって、気持いいことこの上なしです。
健康なお口を守り、生涯自分の歯で食事ができる活き活きとした生活をおくりましょう。

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