■8020達成者51.2%
「8020健康長寿社会」が実現
―平成28年歯科疾患実態調査
日本歯科医師会では、80歳で20本の歯を残すことにより、「いくつになっても自分の歯で食事ができる」高齢者の割合を50%にすることを目標に、8020運動を展開してきました。それがとうとう、現実のものとなりました。
平成28年歯科疾患実態調査(平成28年10~11月実施)の結果(概要)が6月2日、厚労省より公表され、8020を達成した者の割合は前回調査の40.2%から11.0ポイント増の51.2%と、初めて50%を超えたのです(75~84歳の8020達成者の割合から推計)。「健康日本21(第二次)」では、8020達成者率を平成34年において50%にするという目標を掲げていましたが、今般の調査によりその目標が達成されたことになります。同時に、日歯が目指してきた「8020健康長寿社会」(8020達成者率が50%を超える状況)も実現できました。私たち歯科医師が目指してきた目標がひとつクリアできたわけです。
しかし、遠い先だと思っていた目標が現実にクリアされてみると、そこにはまた新たな課題が横たわっていることもまた事実です。確かに、80歳で20本という「量」はクリアされましたが、それをもってして実現するべき「健康長寿社会」へは未だ道半ばだといえます。平均寿命と健康寿命の間には、まだ8年ほどの乖離があります。人生の最後まで、「あ~、おいしかった」と言えるような口腔機能と健康の保持に、私たち歯科医師がもっともっと関わっていくことが、ますます大切なんだと考えさせられました。
8020達成を誇りに思うと同時に、今一度気持ちを引き締めて毎日の診療に臨みたいと思います。